Is you is or is you ain't my baby?
「会社を休ませて欲しい?

お前、こんな大変な時期に何を言ってるんだ!?」

電話越しから直属の上司である朽木正文の怒鳴り声が聞こえた。

「こっちはそれどころじゃないんですよ!」

京極は靴下を身につけながら、何クソと言うように朽木に言い返した。

「とにかく、今日は欠勤させてもらいます。

では」

「あっ、おい…!」

これ以上朽木に怒鳴られる前に、京極は電話を切った。

シャツの胸ポケットにスマートフォンを入れると、スニーカーを履いた。

飛び出すように家を出ると、蒸し暑い空気が京極の躰を包んだ。

もうすぐで、6月がやってくる。
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