Is you is or is you ain't my baby?
櫻子は口を閉ざすと、彼らの顔を見つめた。

「なあ、アッキー」

次に前に出たのは、藤本だった。

「俺たちはアッキーのことを仲間だと思っているんだ。

今年に入ってからできた友達だから、俺たちは止めにきた。

だからもう、こんなことをやめて欲しいんだ。

俺たちはアッキーを仲間で、友達だと思ってる。

アッキーは、俺達のことを何も思っていないのか?」

小梅と同じく諭すように言った藤本に、櫻子の眼鏡越しの瞳が揺れた。

「檍さん」

名前を呼んだのは、唐澤だった。

「今の彼らの行動を見て思ったんですけど、あなたがうらやましいです。

自分には守ってくれる仲間や友達はいない、愛してくれる人がいなかったって前に言っていましたけど、ちゃんといるじゃないですか。

こんなにも大勢の仲間がいて、すごくうらやましいです」

唐澤が言った。
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