Is you is or is you ain't my baby?
「好きだったのかい?」

小梅が聞いてきたので、藤本は視線を向けた。

「ショートカットの花嫁さん、ダイダイは彼女のことが好きだったのかい?」

そう聞いてきた小梅に、
「もう昔の話だけどな」

藤本は答えた。

「そこは認めるんだね」

「今さら隠す必要なんてあるまい」

「フフッ、そう」

小梅は上品に笑った後、彼らに視線を向けたのだった。

「今でも彼女のことを思っていたりするのかい?」

そう聞いてきた小梅に、
「何にも思っちゃいねーよ。

俺にはお前と言うヤツがいるんだし」

藤本は答えた。

「ずいぶんと嬉しいことを言ってくれるね」

それに対して、藤本は当たり前だと心の中で呟いた。
< 286 / 315 >

この作品をシェア

pagetop