Is you is or is you ain't my baby?
「昔は彼女のことが好きだったけれど、今は妹のような存在だよ」

そう言った藤本に、
「妹か…」

小梅は呟くように言った。

「妹みたいにかわいがってるって言う意味だ」

「ああ、なるほどね」

会話を終わらせた後、藤本はもう1度彼らに視線を向けた。

ちょうど今から、夕貴がブーケトスを始めようとするところだった。

「それじゃあ、行くよー」

参列者たちに背中を向けた夕貴が声をかけると、ブーケを投げた。

そのブーケは手を伸ばした参列者たちの頭のうえを通り越した…かと思ったら、隣からスポッと何かが落ちた音がした。

「おや」

小梅の声に視線を向けると、彼女の手には先ほど夕貴が投げたブーケがあった。
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