Is you is or is you ain't my baby?
同じ頃、英恵はお風呂から出たところだった。

「国光、お風呂…」

国光の部屋に足を踏み入れると、そこは段ボールでいっぱいだった。

「ああ、そう」

それまで荷造りをしていた国光は腰をあげた。

「あなた、これ…」

積み重なっている段ボールを指差した英恵に、
「ああ、明日出て行くから」

国光が言った。

「えっ、ええっ?」

驚いて聞き返した英恵に、
「僕も姉さんみたいに独立しようと思ってね、1人暮らしを始めることにしたんだ」

国光が答えた。

「へえ、そうなんだ」

そう返事した英恵に、
「京極さんならうまくやれるよ。

だから、姉さんも幸せになってね」

国光はそう言うと、部屋を出たのだった。
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