Is you is or is you ain't my baby?
妖しい色気を醸し出している彼女は、櫻子の隣に腰を下ろした。

そんな小梅の姿に、京極がチラリと視線を向けたのがわかった。

(金曜日だから客が多いのは当たり前か)

伊地知が心の中で呟いた時、
「おーっ、寒い寒い」

黒ぶち眼鏡の男――北大路柾が来店してきた。

彼は早足でカウンターに歩み寄ると、小梅の隣に腰を下ろした。

「あーあ」

そう言って息を吐いたのは、藤本だった。

「もう今年が2週間終わっちまったか…」

呟くように言った藤本に、
「そうですね」

英恵が答えた。

「時間の流れって早いですよね。

新しい年がきたと思ったら、もう2週間も経っていたなんて」

そう言ったのは京極だ。
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