Is you is or is you ain't my baby?
「ハナちゃんの方こそ、時間は大丈夫?

明日も仕事なんでしょ?」

北大路は言った。

店内にある時計は午後8時を過ぎたところだった。

病院は7時に業務が終了したが、英恵の仕事が終わる時間にあわせたため、待ち合わせの時間が8時を過ぎてしまったのだ。

「たぶん、大丈夫だと思います。

父には友達とご飯を食べに行くから帰りが遅くなると伝えましたから」

そう答えた英恵に、
「実家で暮らしてるの?」

北大路は聞き返した。

「はい。

本当はもういい年齢なので1人暮らしをしたいんですけども、父がそう言うのを許してくれなくて…。

若いうちは老後を安心して過ごすためのお金を貯めろ、と」

英恵は言いにくそうに言った。
< 83 / 315 >

この作品をシェア

pagetop