君が奏でる恋の唄
第一楽章
女子高生って、何かに夢中になる時期だよね。
恋とか、恋とか、恋とか?
多分、私も今そうだと思う。
4時間目終了の合図のチャイムが鳴ると同時に私は急いで勉強道具を鞄の中へ片づける。
「ハル~。お昼食べよ~」
そう私に声をかけてきたのは、親友の飯島愛だった。
「愛ちゃんごめん!私もう早弁しちゃったんだ!」
「華の女子高生が早弁…。まぁ飽きもせず毎週通ってるのね」
「うん!ってことで行ってきます!!」
愛ちゃんのいってらっしゃいの声を背中で聞きながら私は教室を飛び出した。
あの人がいる、音楽室へ。