イジワル同期とルームシェア!?
「このマズイごはんを食べた男はこの世であんたただ一人だよ!よかったね、貴重な体験ができて!私も好きな男の前で失敗しなくてよかったよ!!」


私は怒鳴ると、元希に背を向けテーブルから離れる。
勢い余って椅子が倒れる。


タラレバだけど、今思っちゃったじゃん。

大士朗に美味しい手料理を振舞ってあげられたら、彼は私を好きでいてくれたかな。
愛人待遇くらいには置いてくれたかな。


あんな男なのに、できなかったことを数えたら、こんなに悲しくて悔しい。


「アヤ、待てよ。どこ行く気だ」


元希がテーブルを周りこみ、私の右手首を捕まえた。


「あんたのいないとこ!」


手を振り払おうとするも果たせない。
こんな時に男らしく馬鹿力出さないでよ。


「悪かった!意地の悪いことを言った。ごめん、アヤ」


拘束から逃れようと暴れる私を、元希が抱き寄せた。

密着した胸が広くて温かくて、まずは何より驚く。

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