イジワル同期とルームシェア!?
御曹司をやっつけろ!
①
翌火曜日、私は元希立案の作戦を実行すべく、終業後本社7階の大ミーティングルームにやってきていた。
営業部がしょっちゅう会議に使っているココ。
私も何度か社内会議のお供で入ったことはあるけれど、終業後ぶらっと訪れるところではない。
「ねえ、本当に大士朗はここにくるの?」
私は疑わしそうに元希に問う。
元希は肩をすくめ「ノープロブレム」と日本語発音で答えた。
「今夜はサッカー中継があるだろ?20時キックオフの。あいつ、それをここにある大スクリーンに映して見るのが好きなんだよ」
元希の指し示すのは、今はくるくる巻かれて天井にひっついているスクリーン。
家の4Kテレビで見た方がいいんじゃないのかな。
「絶対、女子社員を連れ込んで見せたことがあるな。おまえの部屋じゃねーっつうの」
「ね、元希はなんでそんなことまで知ってるわけ?」
大士朗がサッカー好きなのは知っていたけれど、こんな情報は知らなかった。
「一応、俺、仕事上パートナーですから。先々週も仕事切り上げて、いそいそここに入ってくのを見た。今日も来るぞ、たぶん」