イジワル同期とルームシェア!?
「そんなわけないじゃん」


身長155センチ、体重は人並にある。
元希は私より20センチくらい身長があるけれど、見た目は細身だ。まさか私を腕だけで持ち上げられるとは思わなかった。脱いだら案外細マッチョだったりして。

ともかく、この体勢が問題。
またしてもスカートから脚が出ないように、わたわたと手で押さえる私。


「な、足首のヤツ、これっていつまでついてんの?」


元希が私の左膝をさわっと撫でた。言いたいことは左足首にあるヘナタトゥーだ。
気付いていないと思っていたのに、コイツ、ちゃんと見てる。


「えっと、色素を沈着させてるだけだから2・3週間だって。ヘナタトゥーとか、メヘンディって言うんだ」


緊張から早口で答えてしまう。さらに変な空気に持っていきたくなくて余計な情報を追加。


「今年の流行はフラッシュタトゥーでね、海外セレブから火がついたんだけど、こっちの方が簡単で、今度涼子とやってみようって話で……」


「ふうん、まあいいや。ほら、アヤ、顔こっち向けろ」


元希が私の話を遮り、あごを捉えた。
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