イジワル同期とルームシェア!?
イタリア製のオープンカーの助手席で、夜の潮風を受けながらそんな告白されて、落ちない女の子っている?

私は落ちた。

すってんころりん転がり落ちた。


横でハンドルを握る大士朗は背こそ高いけれど、ものすごいイケメンというわけじゃない。フツメンの部類だ。
だけど、それを補って余りある経済力!

そして、何より私を愛してくれているってこと!
今までの恋愛で、お世辞にも男運があった方ではない私には、これが大事なポイントだった。


『ハイ、大士朗さん。でも、私でいいんですか?』


私こそ普通のどこにでもいる女子ですけど。
御曹司のお付き合い相手には相応しくないと思うんですけど。

大士朗は笑って言った。


『古町さんの普通な感じが安心できていいんだよ。僕の家庭は息苦しくてさ』


そうか、御曹司なんかに生まれちゃうと、そんな悩みもあるのかもしれない。

普通100パーセントの私に癒しを感じるのも納得だ。

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