イジワル同期とルームシェア!?
「元カレどもはおまえの優しさに惹かれて近付いて、最後は甘え倒して離れて行ったんだよ」


「じゃあ、結局私の性格が問題じゃん」


まだ背を向けたまま言うと、元希が答える。


「それも一因だけど、確率の問題でもあるな。優しさに惹かれるのは、普通の男だってそうだ。おまえがその中からハズレを引き続けたってだけ。確率的に言えば、そろそろ当たりを引くかもだろ?」


私は元希を振り返った。
どうやら、こいつは私を慰めたいらしい。

とりあえず、ムカつくから睨んでおくけど。


「ハズレ引きまくりって、その引きの弱さが私の男運ってヤツじゃないの?」


「確率に、引きの強い弱いは関係ない。次に当たりを引く確率は何分の何ですか?小学生でもわかることだけど、アヤの脳みそじゃわかんないか」


事も無げに言う元希はけして普段から理論だてたり、統計を持ち出すやつじゃない。

私を元気付けようとテキトーを言っているだけだ。
例えにイラッとさせてくるあたり、元希クォリティを感じる。普通の男とダメ男の比率がわかれば、答えてやるっつうの。

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