イジワル同期とルームシェア!?
「……元希はいませんか?薗田です」


女性の声……そして、元希と呼ぶのは……。

もしやもしや、彼女!?

うそ、彼女いないんじゃなかったの?

私が出ていいのかな。
いや、出るしかないよね。
このままインターホン越しに「いません」じゃこじれるよね。出て言い訳するほうが誠意を見せられるよね。

ああ、シャワー浴びるんじゃなかった!


「少々お待ちください!」


私はインターホンを切ると、さっきまで着ていた通勤ブラウスにスカートを身につける。洗っちゃった髪を乾かす時間はない。なるべく目立たないよう後ろで大きめのクリップでまとめた。

この間、およそ30秒。

玄関に走り、ドアの鍵を開けた。


「お待たせしました!」


そこにいた人物に私は二重に驚いた。


「あら、古町さんだったんだ」


廊下に立っていたのは、総務の薗田毬絵さん。
大士朗のお姉さんだ。

元希が言うところの、薗田エアサポートの真の後継者……。
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