イジワル同期とルームシェア!?
『姉貴のような存在』って元希は言っていた。
言い換えれば、隣のお姉さんに恋してしまう思春期、元希の一番近くにいた女性が彼女ってことで……。

面倒な先輩の世話を焼くたび、心配してくれ、「ごめんね、迷惑かけて」なんて言ってくる麗しいお姉さんに、元希少年の心は甘酸っぱく燃え上がっていたって可能性はない?

あー、ある。
これはある線だよ。

毬絵さんの気持ちはいざ知らず、絶-っ対、元希は毬絵さんを好きだった過去があるはずだ!

間違いない!
このムッツリスケベ(古い)!

毬絵さんとの過去は語りつつ、そのウブな恋心の思い出は胸に秘めやがったわね!



「お湯めっちゃ沸騰してるけど、何ゆでるの?」


「うわああっ!」


いつの間に帰っていたのだろう、真横に元希がいた。

ぐつぐつお湯が煮えたぎるお鍋を覗き込んでいる。


「考え事してただろ?お湯少なくなってんぞ」
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