イジワル同期とルームシェア!?
元希は今まさに劇場正面に出てきたといった様子だ。観劇を終えたばかりに見える。
そして、その横を見て私は息を飲んだ。
毬絵さんだ。
毬絵さんがいる。
元希の隣に並んでいる髪の長い女性は間違いなく薗田毬絵さんその人だ。
表情まではよく見えないけれど、元希を見上げているのがわかる。
やっぱり……元希はあんなことを言って否定したけれど、二人は恋仲なんだ。
そうでなければ、こんなところで見かけるはずがない。
「文、どうしたの?食べないの?」
運ばれてきた前菜を前に涼子が不審な顔をする。
私は慌てて、涼子の方を向き、笑って見せた。
手にしたお箸が震える。
元希は同居人の私にも言えない秘密の恋をしているんだ。
日曜の夜、二人で観劇か。
きっと、朝からずっと一緒に過ごして、締めが歌舞伎なんだね。
大人だなぁ。
元希、年上の毬絵さんに大人っぽく見られたいから、こんなデートを企画したのかな。
胸が疼く。
私ってば何がショックなんだろう。
元希がごまかしたことかな。毬絵さんと付き合っていないって嘘ついたことかな。
私、そんなに信用ない?
そして、その横を見て私は息を飲んだ。
毬絵さんだ。
毬絵さんがいる。
元希の隣に並んでいる髪の長い女性は間違いなく薗田毬絵さんその人だ。
表情まではよく見えないけれど、元希を見上げているのがわかる。
やっぱり……元希はあんなことを言って否定したけれど、二人は恋仲なんだ。
そうでなければ、こんなところで見かけるはずがない。
「文、どうしたの?食べないの?」
運ばれてきた前菜を前に涼子が不審な顔をする。
私は慌てて、涼子の方を向き、笑って見せた。
手にしたお箸が震える。
元希は同居人の私にも言えない秘密の恋をしているんだ。
日曜の夜、二人で観劇か。
きっと、朝からずっと一緒に過ごして、締めが歌舞伎なんだね。
大人だなぁ。
元希、年上の毬絵さんに大人っぽく見られたいから、こんなデートを企画したのかな。
胸が疼く。
私ってば何がショックなんだろう。
元希がごまかしたことかな。毬絵さんと付き合っていないって嘘ついたことかな。
私、そんなに信用ない?