イジワル同期とルームシェア!?
いや、慎重を期すのは、それだけ毬絵さんが大事ってことなんだろう。

でも、いいじゃんねぇ、話してくれたって。

私だって弱味を見せたんだから、元希だって私を信頼してよ。
誰にも言わないよ。

今だって、涼子に気づかれないように視線を逸らして、彩りキレーな前菜を楽しんでいるフリだよ。

美味しいはずの創作中華はまったく味がせず、私は震える手に変な汗をかきながらディナーを終えた。

ああ、こんなはずじゃなかった。
いっそ、知らなければよかったなぁ。元希と毬絵さんの秘密の恋なんて。

私、馬鹿だから、知らん顔できないよ。
絶対、元希への態度が変になっちゃうよ。


「さーて、明日からまた頑張りますかな」


涼子がビルを出るなり、両手にショッパーバッグをぶらさげ、伸びをする。
胸がチクチクモヤモヤな私は涼子の後に続き、のっそりビルを出た。

その時、私の目には新たな光景が……。
< 156 / 323 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop