イジワル同期とルームシェア!?
三谷さんがうなだれた。
たぶん、言い訳をたくさん考えてきたんだろうな。

偶然会っただけとか、奥様へのプレゼントを選んでたとか。
そーいう類のありそうな言い訳。

私は気まずく黙り、ローズヒップやハイビスカスが入っていそうなアイスティーにストローを入れる。

涼子は攻める手を緩める気はないらしい。


「社内不倫とか、恥ずかしくないんですか?」


涼子は元より正義感が強く、気も強い。曲がったことが嫌いなのだ。さらには、自分が人妻だということも、三谷さんを責める理由になっているみたい。


「田中部長の奥様に知られたら、慰謝料請求されますよ。あと、社内的にも同じ部署には居られないでしょう。案外、田中部長なんか早期退職に追い込まれちゃうんじゃないですか?」


「だから!2人にはお願いがあって……」


三谷さんは、涼子と真逆で気が弱く流されやすいタチだ。女性的で優しいけれど、自分の正義より、目先の幸福に飛びついてしまう。だいそれたことをしないように見えて、流されちゃいました……という典型的なタイプ。

2年同じ部署で仕事をしていれば、性格のいいところも悪いところもわかってしまう。

< 159 / 323 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop