イジワル同期とルームシェア!?
「本当の話、したの?」
「ああ、事実を全部話して頭を下げたよ。今は婚約者一筋で、いい婿になれるように修行してる。もちろん、あちらの会社にいつでも移れるように勉強もね」
大士朗の話は概ね大袈裟だけれど、鈴木さんと別れたなら、それはよかった。
「ごめんな、文。ずっときちんと謝りたかった」
「いいよ。私も元希と二股状態だったわけだし」
元希が大士朗を言いくるめた内容からすると、私は元希と冷めかけたから大士朗になびいてしまったという設定だ。不本意だけど、嘘はつきとおさなければ。
「でも、文は元希を捨てて僕を選ぼうとしてくれていたんだろう?それなのに、僕は……最低だったよな」
そこまで言って、大士朗がかすかに笑った。反省の表情がわずかに緩む。
「なに?」
「いや、正直に言えば、そのことだけは少し嬉しいんだ。文が元希を捨ててでも、僕を選んでくれようとしたこと。……元希には子どもの頃から何をやっても勝てたことがない。これで一勝めだなぁって。……でも、文は元希のところへ戻っちゃったわけだから、勝ちにはならないか」
「ああ、事実を全部話して頭を下げたよ。今は婚約者一筋で、いい婿になれるように修行してる。もちろん、あちらの会社にいつでも移れるように勉強もね」
大士朗の話は概ね大袈裟だけれど、鈴木さんと別れたなら、それはよかった。
「ごめんな、文。ずっときちんと謝りたかった」
「いいよ。私も元希と二股状態だったわけだし」
元希が大士朗を言いくるめた内容からすると、私は元希と冷めかけたから大士朗になびいてしまったという設定だ。不本意だけど、嘘はつきとおさなければ。
「でも、文は元希を捨てて僕を選ぼうとしてくれていたんだろう?それなのに、僕は……最低だったよな」
そこまで言って、大士朗がかすかに笑った。反省の表情がわずかに緩む。
「なに?」
「いや、正直に言えば、そのことだけは少し嬉しいんだ。文が元希を捨ててでも、僕を選んでくれようとしたこと。……元希には子どもの頃から何をやっても勝てたことがない。これで一勝めだなぁって。……でも、文は元希のところへ戻っちゃったわけだから、勝ちにはならないか」