イジワル同期とルームシェア!?
大士朗の本音を聞いた気がした。
この人は、どうやらお目付役の元希に多大なるコンプレックスがあるようだ。
私を勝ち負けの道具にされたくはないけれど、素直にそんな告白をしてしまう大士朗の根の単純さを微笑ましく思ってしまう。
……ってダメダメ。
こういう思考が、駄目男を呼び寄せるんだから。
私がなんと答えたものか悩んでいると、ジジジジッという鳴き声と激しい羽音が近付いてくる。
そしてかすかな衝撃が耳元で弾ける。
「ぎゃあっ!」
私の真横の壁に体当たりしてきたのは大きなアブラゼミだ。つるつるの外壁にとまり損ね、再び旋回を始める。
「やだーっ!!」
頭を抱えて小さくなる私を大士朗が引き寄せた。セミにぶつかられないように自分の身体を盾にしてくれる。
アブラゼミは壁にとまるのを諦め、どこかへ羽音をたてながら飛んで行った。
「ありがとう」
私は素早く大士朗の抱擁から抜け出した。大士朗が下心無しでかばってくれたのはわかったけれど、そのまま密着していてはいけないと思ったのだ。
この人は、どうやらお目付役の元希に多大なるコンプレックスがあるようだ。
私を勝ち負けの道具にされたくはないけれど、素直にそんな告白をしてしまう大士朗の根の単純さを微笑ましく思ってしまう。
……ってダメダメ。
こういう思考が、駄目男を呼び寄せるんだから。
私がなんと答えたものか悩んでいると、ジジジジッという鳴き声と激しい羽音が近付いてくる。
そしてかすかな衝撃が耳元で弾ける。
「ぎゃあっ!」
私の真横の壁に体当たりしてきたのは大きなアブラゼミだ。つるつるの外壁にとまり損ね、再び旋回を始める。
「やだーっ!!」
頭を抱えて小さくなる私を大士朗が引き寄せた。セミにぶつかられないように自分の身体を盾にしてくれる。
アブラゼミは壁にとまるのを諦め、どこかへ羽音をたてながら飛んで行った。
「ありがとう」
私は素早く大士朗の抱擁から抜け出した。大士朗が下心無しでかばってくれたのはわかったけれど、そのまま密着していてはいけないと思ったのだ。