イジワル同期とルームシェア!?
「アヤにまたちょっかいだしてんのか?」


元希が剣呑な声音で大士朗に言う。
私は慌てて元希に向き直り弁解した。


「はぐれて困ってたところを助けてくれただけだよ!なんの変なこともないよ!」


「ごめん、元希。余計なことをしたみたいで」


大士朗が困惑しきった声で言う。
私は大士朗の背を押した。


「ありがとう、だい……薗田さんはもう花火が始まるし、行って。元希とは私が話すから」


大士朗は申し訳無さそうにしながら、足早にビルのエントランスへ。

私はふーっとため息をつくと、あらためて元希と対峙する。


「いつから見てたの?」


私の問いに、元希は不機嫌さを隠そうともせずに答えた。


「大士朗がおまえを抱きしめたあたりから」


「あれは、セミ!セミのアタックからかばってくれたんだよ。変な意味じゃないよ」


こんなことを言いながら、なんで自分が言い訳めいたことを口にしているのかわからない。
元希が不機嫌だから、きっと反射的に弁解してしまっているんだ。
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