イジワル同期とルームシェア!?
③
久しぶりの同期会は7月最後の金曜日に行われた。
場所はいつもの居酒屋『醍醐』。
営業所勤務の同期はなかなか参加出来ないけれど、今日は25名中17名が集まれた。
馴染みの面子に、『醍醐』の店長は、枝豆山盛りのサービス。さらに通常は別料金のフローズンカクテルまで飲み放題に付けてくれた。これには女子は大喜びだった。
わいわいと騒がしい17名は二階の座敷を占領して、納涼会という名目の同期会がスタートした。
「文ってば、この前の花火大会は先に帰っちゃったからなぁ。今日はとことん付き合ってよ?」
こう言って、くだんのフローズンダイキリをふたつ並べ、涼子は息巻いている。
「ごめんね、悪かったとは思うんだけど。お腹痛かったんだよー」
私はよくある都合のいい言い訳を駆使しつつ、カクテルグラスを受け取る。
「えー?涼子と文、花火大会行ったのー?」
「すっごい人出だったでしょー。花火見られたー?」
周りには仲のいい女子が固まっている。今日はさながら女子会みたいだ。
涼子が口を尖らせ答える。