イジワル同期とルームシェア!?
「……仕事の件はわかりました。引越しされるんですか?」
「ええ、祖母が営業所の近くに住んでるから。介護を兼ねるっていうのも異動理由」
表向きは家庭の事情が理由のようだ。
でも、それだけとは思えなかった。
私が困惑の表情だったせいだろう。三谷さんは、ふうっとひとつため息をついた。
「田中さんとは別れたわよ」
三谷さんはあっさりと私の言外の質問に答える。
なんの心境の変化だろう。
別れないと宣言していたのは彼女なのに。
「悪いことなのは知ってるって言ったでしょう。私だって、本当は気付いてた。田中さんが家族を捨てるわけないって。だけど、夢を見たかった」
三谷さんは台拭きをきゅっと握る。うつむいた表情は固いまま動かなかった。
「もう夢を見る年でもないって気付いただけ」
「……三谷さん」
「金村さんに言っといて。これで気が済んだでしょって」
三谷さんはどうでも良さそうに言った。
涼子に責任転嫁しているわけじゃない。三谷さんの中では、もう本当に終わったことなのだろう。
そんな風に見えた。
「ええ、祖母が営業所の近くに住んでるから。介護を兼ねるっていうのも異動理由」
表向きは家庭の事情が理由のようだ。
でも、それだけとは思えなかった。
私が困惑の表情だったせいだろう。三谷さんは、ふうっとひとつため息をついた。
「田中さんとは別れたわよ」
三谷さんはあっさりと私の言外の質問に答える。
なんの心境の変化だろう。
別れないと宣言していたのは彼女なのに。
「悪いことなのは知ってるって言ったでしょう。私だって、本当は気付いてた。田中さんが家族を捨てるわけないって。だけど、夢を見たかった」
三谷さんは台拭きをきゅっと握る。うつむいた表情は固いまま動かなかった。
「もう夢を見る年でもないって気付いただけ」
「……三谷さん」
「金村さんに言っといて。これで気が済んだでしょって」
三谷さんはどうでも良さそうに言った。
涼子に責任転嫁しているわけじゃない。三谷さんの中では、もう本当に終わったことなのだろう。
そんな風に見えた。