イジワル同期とルームシェア!?







その日の定時後、私は経理部を訪れていた。
涼子を食事に誘うためだ。

三谷さんの件を話したかったし、今夜も元希と顔を合わせたくない。
気まずいし、この先どうするかまだ決まっていない。
また、あんなふうに迫られたら……そんな恐怖もある。


「ね、私おごるから、夕食に付き合って。お店は涼子の好きなところにするから」


顔の前で合掌し、涼子に頭を下げる。
普段なら、これで乗ってくれる涼子がなぜか乗ってこない。


「文、ちょっと来て」


まだ制服姿の涼子は、私を伴い、経理部を出た。
そのまま、二階と一階の踊り場に連れ出される。


「文、あんた家に帰りたくないの?」


「そんなんじゃないよ。一人暮らしで帰りたくないもナイでしょ」


涼子が困惑げな瞳をきゅっとつりあげ、私を見据えた。

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