イジワル同期とルームシェア!?

「本当に一人暮らし？ねえ、文のアパートって前と替わってないよね。笹塚のあそこでしょ？」


笹塚の部屋は大士朗のマンションに転がり込む前に住んでいたところだ。

私はにこにこと笑い、曖昧に頷いた。
しかし、とぼけ顔程度で涼子はごまかされてくれない。
どころか、いきなり確信をついてきた。


「違うんでしょ？本当は青海と住んでるんじゃない？」


心臓が止まるかと思った。
なんで、そんなことを知ってるんだろう。

咄嗟にごまかす言葉を探した。だけど、情けないことに私の狼狽は明らかで、その様子は答えを言っているも同然。

しばらく沈黙してから、私は口を開いた。


「知ってたの？」


涼子は「やっぱり」と呟く。
確信はなかったようだ。私ときたら間抜けにも、カマをかけられ告白してしまった。


「最初は努くんが言ってたの。文と青海が付き合ってるんじゃないかって。一度、青海のスマホの画面が見えちゃったことがあるんだって。文とのLINEのやりとり。『夕飯どうする？』みたいな内容の」