イジワル同期とルームシェア!?
LINEのやりとりか。私は気をつけていたし、元希だって注意していただろうけど、これは偶然でも見られてしまえば言い逃れは出来ない。


「私、最初は何かの間違いだと思ってた。文は全然、青海のこと好きじゃなさそうに見えたし。でも、何度か見かけたんだ。朝、ゆりかもめの汐留駅の方向から歩いてくる文を。普段は大江戸線の汐留か、新橋を使ってたのに、なんでだろうって。
確信したのはこの前の飲み会。まだ電車がある時間で、文は酔いも醒めてた。なのに、タクシーを使った。笹塚までじゃ遠いのになって思ったの。そしたら、示し合わせたみたいに青海が追いかけてきた」


ああ、さすがに親友は目が利く。よくわかってる。
私の変化や行動を見逃さなかった涼子はすごい。

諦めたような感心したような気持ちで涼子を見つめる。観念しなければならないみたいだ。


「青海と住んでるんでしょう?」


「うん、前の彼氏に同棲解消されて。困ってるところを助けてもらった」


「文は、青海の気持ちを知ってるの?」


「この前、告白された。でも、きっとその前から気付いていたと思う」
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