イジワル同期とルームシェア!?
「“元希”なんて……名前で呼ぶくせに。気持ちを受け入れないなんて、ひどいよ」


涼子が切なく呟いた。同期である青海元希を思っての言葉だ。
涼子は私たちが最初にした約束を知らない。

いや、最初のルール決めだって、元希からしたら私への愛情表現だったのだ。
気付かずに、自分たちの同居生活を清く正しいものだと思い込んでいた私が不誠実なのだ。


「うん、私が悪い。たぶん最初から、私が間違ってる」


再び、私と涼子の間に沈黙が挟まった。


「同居、続けるの?」


私は首を左右に振った。


「ううん、もう終わりにすべきだと思う」


好意を踏みにじり続けることになるなら、早く離れた方がいい。


「元希といたら、私、新しい恋できないしね」


自分の吐いた言葉に嫌悪を感じた。

お世話になった元希と同居解消の理由がこれ?
強がりだって、ひどい話だ。
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