イジワル同期とルームシェア!?
涼子は私の顔を痛々しく見つめている。
もっと、涼子は怒ってくれていい。元希を利用するだけ利用して、さっさと離れようとしてる最低な私のことなんか。


「悪い。ちょっといいか?」


その声は階下から聞こえた。

低い声で言い、私と涼子の前に現れたのは、元希本人だった。
聞かれていたのだ。今のやりとりを。
狼狽より諦めが勝った。おしまいにしなければならない時は、今日なのだ。


「金村・嫁、これから帰ってこいつと話するわ。連れてっていい?」


元希の口調は怒ってもいなければ、ふざけてもいない。
いたって、冷静。
仕事の相談のようだった。

涼子は頷いた。


「青海と文が話して決めるのが一番いいよ」





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