イジワル同期とルームシェア!?
その後、場所を変えて飲もうという話になったけれど、私は遠慮して途中の池袋駅でみんなと別れることにした。

この前は私と元希をくっつけようとはしゃいでいたサッコも、特に何も言ってこない。
脈ナシの私より、今ホットな渡辺さんの恋を応援する方が楽しいと踏んだみたいだ。

ああ、こんな分析をすること自体、卑屈で嫌。

卑屈な自分、大っ嫌い。
被害者ぶってる自分、大っ嫌い。

池袋駅に残るみんなに手を振り、有楽町線の改札をくぐる。


「文、気をつけてね」


涼子の声に振り向いて、もう一回手を振った。

あ、また元希と目が合う。

だけど、元希は何の焦った様子もなく、さらりと視線を外した。
興味なんか欠片もないといった風に。

勝手に傷ついて、胸が痛い自分がすごく不快だった。

私はもう何も考えまいと、足早にホーム階への階段を駆け下りていった。



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