イジワル同期とルームシェア!?
ふと閉まりかけたドアが止まり、緩慢な動作で開いた。
乗り込んできたのは元希だった。
ちょうど元希のことを考えていた時に、本人が現れ、心臓が止まりそうになる。
元希も私が乗っているとは思わなかったみたいだ。表情が固く、目はやや見開かれている。
「よ、重そうだな」
元希はすぐに驚いた表情を消し、私に微笑んだ。
自然な笑顔につられるように、私も口の端をわずかに上げた。
「……青海、久しぶり」
迷ったけれど、元希とは呼べなかった。
元希は私の手に積まれた重たい資料を何の断りも無く取り上げた。有無を言わさぬ雰囲気で自分の荷物にしてしまう。
「持つ。あと、そこは“元希”でいいよ」
「ん、ありがと。ごめん」
元希は資料を会議室まで運ぶと請け負ってくれたけれど、私には気詰まりな時間だった。
7階まで上昇していく間、エレベーターという密室に二人きり。
もう、なんでもない二人なのに、私ばかりが意識している。
乗り込んできたのは元希だった。
ちょうど元希のことを考えていた時に、本人が現れ、心臓が止まりそうになる。
元希も私が乗っているとは思わなかったみたいだ。表情が固く、目はやや見開かれている。
「よ、重そうだな」
元希はすぐに驚いた表情を消し、私に微笑んだ。
自然な笑顔につられるように、私も口の端をわずかに上げた。
「……青海、久しぶり」
迷ったけれど、元希とは呼べなかった。
元希は私の手に積まれた重たい資料を何の断りも無く取り上げた。有無を言わさぬ雰囲気で自分の荷物にしてしまう。
「持つ。あと、そこは“元希”でいいよ」
「ん、ありがと。ごめん」
元希は資料を会議室まで運ぶと請け負ってくれたけれど、私には気詰まりな時間だった。
7階まで上昇していく間、エレベーターという密室に二人きり。
もう、なんでもない二人なのに、私ばかりが意識している。