イジワル同期とルームシェア!?
あー、久々のいじめたい欲求。
この子が困った顔をするのをもっと見たい。

今まで恋愛してこなかったわけじゃない。
だけど、俺の近くには大士朗という悪い見本がいて、あいつの不祥事の始末をつけているうちに、どこか女に疲れている自分がいた。

女って、面倒。
期待されて期待してっていう関係性は苦しい。

だから、この小学生みたいな『可愛い子をいじめたい』っつう欲求を感じたのは久しぶり。
別に恋じゃないけど、女子に覚えた久しぶりの期待と欲求だ。


古町文を困らせたい。


……なんて、俺はバカですか。
ええ、バカですよ。



「そういやさ、昨日の飲み会で小耳に挟んだんだけど、ブンはしばらく恋愛しないのか?」


「ううっ!聞こえてたの?恥ずかしい」


ブンが箸を持ったまま、右頬に手を当てる。

俺のこの興味関心は恋じゃないけど、そのあたりは確認しといてもいいと思う。
万が一ってことがあるからな。
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