イジワル同期とルームシェア!?






お土産に紅茶とスコーンをいただき、毬絵さんの家を後にしたのは13時。
毎週、その頃に安島部長がスポーツジムから帰ってくるので、入れ違いにお暇する習慣になっている。

帰り道、私は夕食の買い物を済ませ、元希と暮らすマンションへ向かっていた。


元希と付き合って2ヶ月半。


元希のご両親とはこの前会食をした。死ぬほど緊張したけれど、藍沢社長夫妻は想像よりずっと気さくな人たちで、私と元希の交際、同棲を認めてくれた。

社内ではもうみんな知っていることだし、毬絵さんなんか完全に花嫁修業をつけている気になっているし。

いいんだけど、ちょっとだけ置いてきぼり感。

私、本当に大丈夫かな。
好きになることに身分も何も関係ないとは思っているけど、事実元希は御曹司で、近い将来アデレードホテルの経営を継ぐ。

このまま結婚の運びとなったら、私は社長婦人になっちゃうんだよね
思いもかけないシンデレラストーリーに、困惑してしまう。

私でいいのかな。

本当は大士朗みたいに、メリットのある家柄の子女をお嫁さんに迎えるのが正解なんじゃない?
超普通家庭に育って、たまたま元希の同期だった私でいいんですかい。

こうして、毬絵さんに色々教えてもらうほど、世界の違いを感じて不安になる。

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