イジワル同期とルームシェア!?
ああ、まずい。もうすっかり、私の気持ちも持っていかれてるじゃない。

このまま、元希に乱されたい。
めちゃくちゃに抱き合いたい。


「アヤのそういう困り顔。大好き」


「やめて……意地悪なこと言うの」


「俺がおまえの困り顔に興奮するって知っててやってんの?だとしたら、ものすごい策士だな。大成功だよ」


元希こそ、知っててやってるでしょ。
私があんたの声で意地悪を言われるととけてしまいそうになるって。

元希の手がニットの裾から侵入してくる。

胸の丘を這い登ってくる手に観念して、私は自ら元希の首に腕を回した。
唇同士を重ねると、とっておきの秘密みたいにささやく。


「元希、好き」


「俺の方がたぶん好きだよ」


「いやいや、私の方が」


このやりとりも数秒後には終わるだろう。
私も元希も会話どころじゃなくなっちゃうから。
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