イジワル同期とルームシェア!?
「挨拶代わりにヤバいって何!?」


「まー、洗面所で鏡見て来い。ぶはっはっはっ!」


青海に背中を押され、廊下に出ると、左手の洗面所に入る。


「なるほど」


鏡を見て、思わず呟いた。

私の顔は目の周りを中心にひどくむくんでいた。
自分では耐えたと思っていたのに、涙は予想より目を腫らしている。

涙のせいでこめかみあたりの髪の毛はちりちりに縮れ、何本も頰に貼り付いている。

慣れ親しんだ布団で寝たはずなのに、髪の毛はクセ大爆発状態で、ライオンみたいになっている。この前変えたカラーリングが絶妙なライオン具合。


「ライオンみたいだろ!?」


タオル持って意気揚々とついてきた青海も、同じイマジネーションを覚えたようだ。
嬉しくない。


「これは……、借りといてなんだけど、青海のシャンプーのせいだと思うよ」


一応弁解してみる。

シャンプーもコンディショナーもヘアパックも、買い直したいから大士朗の部屋に置いてきたんだもん。
青海のメンズ感たっぷりなシャンプーを借りたおかげだ。
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