イジワル同期とルームシェア!?
「うわ、顔も腫れてんじゃん。また泣いてたのかよ」


「うるさいなぁ。お見苦しいようなので、もうメイクしちゃいますよっ!」


私は青海を押しのけ、カバンの中のメイクセットを取りに戻ろうとする。
すれ違うタイミングで青海が私の肩をつかんだ。


「見苦しくないって。一緒に暮らすんだし、寝起きの顔なんか気にするなよ」


狭い廊下で肩を掴まれた格好は、顔を上げると、青海の顔が間近。思ったより至近距離で驚いた。

まてまて、私は顔パンパンどスッピンという壊滅的顔面状況だ。
他人に近くで見られて嬉しいわけはない。


「メイクする!離したまえ!」


「悪かったよ、からかって。キャンキャン騒ぐな。ほら、ブンのパンも焼いてやるから食べろ。おまえは半休取ってんだし、もう少しゆっくりしててもいいだろ」


そこまで言われて、私は自分が半休を取っていることを思い出した。

あ!レンタカー、返しに行くんだったっけ。

なんだ、青海が出掛けるまで、部屋にこもっていればよかったじゃん。
バカだー、私ー。
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