イジワル同期とルームシェア!?
私は発作的に元希の手から鍵を引ったくり、ゴミ箱のさらに奥に飛び込んだ。
息を詰め、身を潜める。


「あー金村、大丈夫、大丈夫」


元希の口調が変わった。
一転、いつもの落ち着いたトーンに戻っている。


「外になんか用事?タバコとか吸わないよな、おまえ」


「豪雨注意報が出たから、外でてみたんだよ。そしたら、この注意報、先週のだった」


「……青海、結構酔ってんな」


努くんのあきれた声を、路地の奥で屈んで聞いた。

元希は「戻るべー」なんて言いながら努くんの背を押し店内に入る。
玄関に消える直前、路地から顔を出した私に目配せをして。

なに、あいつ、全然酔ってないじゃん。

酔ったフリで私をからかおうとしてた?

なにそれ、メリットあんの?

訝しく思ったけれど、もう用事はない。
私はコンビニでカップスープとおにぎり、明日の食パンとジャムを買って帰った。

今は酔っていなくとも、どうせ最後には酔っ払いだ。元希と絡むのが面倒くさいので、私は22時過ぎにはさっさと寝てしまった。

同居3日目、つつがなく終了~。



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