イジワル同期とルームシェア!?
大士朗との恋が終わった今、私にはわかる。

『都合のいい女』

それは一番になれない女のことだ。
どうあがいても本命になれない女のことだ。

便利に使えて、お駄賃もご褒美もいらない。

価値はゼロじゃない。でも、いなければいないでOK。

そんなキッチンペーパーのような存在が私。

いやいや、豆腐の水切りや天ぷらにキッチンペーパーは欠かせない。
それじゃ、私はキッチンペーパー以下……。







「おい、何がキッチンペーパーなんだよ」


真上から降り注ぐ声に私はハッと目を開けた。


天井と、元希の顔。

元希が寝ている私を覗き込んでいるではないか。
< 78 / 323 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop