イジワル同期とルームシェア!?
元希は平然と髪を掻き揚げ、薄く笑う。


「俺は呼び間違えないよ。絶対に」


「何、その自信」


そして、何その余裕。
あんたの接近に私がびびりまくってるって気付いてる?
ゲームかなんか知らないけど、一応私、異性なんですけど。


「つうことでペナルティ制導入。俺の仮想結婚ライフの雰囲気をぶち壊さないように」


まったく答えてくれないまま、元希は自分のコーヒーを手にダイニングテーブルへ戻っていった。
チェストのブタさんをてんてんと叩いて。


「……パン焼くよ」


「よろしくー。食べたら仕度しろよ。1時間後出発~」


洗濯して、干して、メイクして、うねった髪をコテで伸ばして……。
1時間じゃ足りない。

私は取り急ぎ脱衣所へ向かった。
先に洗濯機、回しちゃおう。

あーさっきはびっくりした。
この胸のドキドキは完全に驚きからであって、他意はないですけどね!

ひとまず、朝の虚しすぎる夢は頭から出て行った。
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