イジワル同期とルームシェア!?
青海元希というやつは、本当に無神経だ。
私がイラっとすることをライフワークのように口にする。

今回は、最高に失言。

私はぎりっと唇を噛み締めた。

大士朗に、私は手料理を作っていない。

大士朗は部屋に帰ってこなかったから。
私の唯一の取り柄を披露できなかった。

私たちは同棲ごっこすらできなかった。

そして、私は捨てられたのだ。


気付くと涙が溢れていた。頬を転げ落ちていく熱い塊を、私は止められない。


「おい、アヤ。料理失敗したくらいで泣くなよ」


まだ軽い口調で元希が言う。半笑いの元希を私は鋭く睨みつけ、立ち上がった。


「私、料理は割と上手いの!」


「おい、座れって」


「大士朗には食べさせられなかったの!部屋に帰ってこなかったから!私を部屋に放置して他の女と遊んでたから!」


「アヤ……」
< 99 / 323 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop