君に恋していいですか?
「行こう、卯月さん。」

「う…うん…。お疲れ様…。」

薫は後輩たちに挨拶をして、志信の後を追う。

さっきまであの焼き鳥屋に行くのを楽しみにしていたはずの薫が、急におかしな事を言い出したのはなぜだろう?

志信は不機嫌そうに眉を寄せて考えていた。

(オレとの約束なんかどうでもいいって事か?そりゃ卯月さんにとってオレはただの同期かも知れないけど…オレ一人で浮かれてバカみたいじゃん…。)



焼き鳥屋に入りカウンター席に並んで座ると、生ビールと焼き鳥の盛り合わせを注文した。

志信は運ばれてきたジョッキの生ビールを、勢いよく煽った。

(いろいろ思うところはあるけど…ちょっと落ち着こう。そもそもオレが一方的に好きってだけで、付き合ってるわけでもないんだし…卯月さんを責めても仕方ない…。)







< 100 / 290 >

この作品をシェア

pagetop