君に恋していいですか?
焼き鳥屋に入って2時間近く経った。

お酒は生ビールをジョッキで3杯飲んだ後、ウイスキーの水割りに変わった。

いつもより早いペースでウイスキーの水割りを煽る志信を、薫は心配そうに見ていた。

「笠松くん、ちょっと飲むペース早過ぎじゃない?」

「…そんな事ないよ。」

「ホントに大丈夫?」

「……心配してくれんの?」

ただでさえカウンター席ですぐそばに座っているのに、志信が体を薫の方に向け、顔を近付けて、薫の顔を覗き込むようにジッと見た。

「あの…そんな近くでジッと見ないで…。」

薫はたまらず顔をそむけた。

志信はいつもより酔いが回って気が大きくなったのか、なんだか今日はやけに薫が自分を意識しているように感じた。

(さっきから照れてうつむいたり、ジッと見たら恥ずかしそうに目をそらしたりしてる。かわいいな…ちょっといじめちゃおうか…。)


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