君に恋していいですか?
「オレはそういう、うわべばっかり飾ってるのが女の子らしいとは思ってないし、ああいう香水とか化粧の匂いも好きじゃない。うんざりする。それに、フワフワの意味がよくわからないんだけど。」

「物腰が柔らかいって言うか…。」

薫の言いたい事がなんとなくわかって、志信はまたひとつ大きくため息をついた。

「…それは卯月さんとは正反対だって言いたいの?」

志信にハッキリと言葉にされて、薫はまたうつむいた。

「……だってそうでしょ。私なんか見た目も中身も全然女らしくないし…タバコ臭いし汗臭いしオイル臭いし…。」

(なんだかんだ言って、めちゃめちゃ女の子じゃんか…。自覚ないのかな。かわい過ぎて連れて帰りたくなるよ…。)

「オレはそうは思わないよ。」

志信は薫の髪を手に取り、鼻先をくっ付けた。

「1日中、誰よりも目一杯仕事頑張った卯月さんの匂い、オレは好き。愛しくて抱きしめたくなる。」

「な…何言ってるの…。恥ずかしいからやめてよ…。」

真っ赤になってうつむく薫を、志信は微笑んで愛しげに見つめている。


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