君に恋していいですか?
「当たり前か。…ただの同期だもんな。」

「酔ってそんな事言う笠松くんとは…もう一緒に飲むの、やめようかな…。」

「ごめん、冗談。忘れて。」

「タチ悪い…。」

今までに見た事がないような色っぽい目で見つめられ、甘い声で囁かれて、薫は高鳴る鼓動を抑える事ができなかった。

このまま流されてしまいそうで、これ以上近付くのは危険だと心にブレーキを掛ける。

“同期として仲良く”する事を望んだのは自分なのに、志信の口から“ただの同期”と言う言葉を聞かされるのは、少し寂しい気もした。

今以上の関係になりたいような、すべてを委ねてしまいたいような、そんな気持ちを受け入れるのは、正直まだ怖い。

(私…なんかおかしい…。男の人にこんな事言われたのなんて、何年ぶりだろう…。免疫無さ過ぎて勘違いしてる…?!)



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