君に恋していいですか?
「あっ、これもいいけど、卯月さんにはもう少し大人っぽい雰囲気の方がいいかな。えーっと…これなんかどうです?」

少し露出の多そうな紺と白のワンピースを体にあてがわれ、薫はまたあたふたした。

「いや…恥ずかしいから…。」

「何でですかぁ?」

「ホラ…肩とか胸元とかすごく開いてるし…丈も短めだし…。」

「これくらい普通です!!卯月さん、スタイルいいのに隠しちゃうなんてもったいない!!」

「えぇっ…。」

(もう勘弁して…。)

「梨花、この服着てる卯月さん、すっごく見たいなぁ。」

甘えた声でそう言って、目を覗き込むように見つめる梨花に、薫はクラクラした。

(な…何これ…?私、女だよね?!)

「ね、一度試着してみましょ。絶対似合いますよ!」

梨花に背中を押され、強引に試着室へと連れて行かれた薫は、鏡の前でため息をついた。

(仕方ないなぁ…。とりあえず試着して見せたら気が済むかな…。)

薫は恥ずかしそうに、今まで着た事もないような服に袖を通した。




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