君に恋していいですか?
「あぁ…。やっぱりちゃんと貸してあげれば良かったですねぇ。」

「何を?」

「メイク道具です。いつも化粧直しなんてしないのに、急に貸して欲しいって。ちゃんと化粧しましょうかって言ったら、恥ずかしがって結局化粧直しもしないで行っちゃったから…。」

梨花の言葉の意味がいまいちよくわからなくて、志信は首をかしげた。

「それが?」

「忙しくて汗かいたしって、化粧崩れしてるの気になってたみたいなんで。笠松さんに見られるの、恥ずかしかったんじゃないですか?」

「まさか…。それにオレはそんな事気にしないけど…。」

「卯月さんも、女の子って事ですよ。自分の事を女らしくないってよく言うし、自分に自信がないみたいなんで…。後輩さんたちと自分を比べて気後れしちゃったんじゃないですか?」

「ふーん…。」

(オレにとっては、あの子たちより卯月さんの方が何倍もかわいいけどな…。)


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