君に恋していいですか?
「笠松くんは酔うとすぐに変な事ばっかり言うから…。」

薫は自分でそう言っておきながら、昨日の夜の志信を思い出してしまい、真っ赤になった。

志信が薫の前髪を指でよけて顔を覗き込む。

「顔、赤いよ。」

「…ビール飲んでるから。」

「酔ってる?」

「どうだろ…少し?」

「いつもはもっと飲んでも平気なのに?」

「笠松くんだって…。」

「そうだなぁ…。」

志信は薫を抱きしめながら優しく髪を撫でて、鼻先を薫の頭にくっ付けた。

「今日はオイルの匂いしないけど…やっぱいい匂い…。」

「やめてよ、恥ずかしいから…。」

「照れてる卯月さん、かわいい…。」

志信は薫の額にくちづけた。


< 155 / 290 >

この作品をシェア

pagetop