君に恋していいですか?
月曜日の朝、薫は少し重い足取りで出勤した。

(どんな顔して会えばいいんだろう…。)

今日から1週間、夕食を志信と一緒に取る事になっている。

もう志信とは近付かない方がいいと思ったばかりなのに、また二人でいる事に不安になる。

(お酒は控えて、晩御飯だけ食べて帰ろう。)

翌日の仕事を口実にお酒は控えておけば、おかしな雰囲気にはならないはずだ。


いつものようにつなぎを着て更衣室を出ると、喫煙室の前で志信とバッタリ出会った。

薫は内心慌てながら、何事もないような顔をして志信に声を掛けた。

「おはよう。」

「あ…おはよう。」

ぎこちなく笑みを浮かべる志信に、薫は笑って話す。

「今日から1週間、晩御飯ご馳走してくれるんだよね。」

「そうだったな…。何が食べたいか考えといてよ。行きたい店とか。」

「うん。じゃあ…着替えたら喫煙室で。」

「わかった。」


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