君に恋していいですか?
(オレの事なんか…なんとも思ってないくせに…。)

ジッと見つめる志信の強い視線に薫は戸惑い、その視線から逃れるように目をそらした。

(いつまでも終わった恋引きずってないで、いい加減気付けよ…。)

「…どうしたの?やっぱり何か怒ってる?」

「怒ってないって言ってるだろ?!何度も言わせんなよ!!」

志信はそう叫んで、薫の腕を引き寄せ強く抱きしめた。

「えっ…笠松くん?!」

「情けないんだよ!悔しいんだよ!」

突然志信の腕に強く抱きしめられ、薫はその腕から逃れようと身をよじった。

「笠松くん…離して…。」

志信は抱きしめる腕の力を少しゆるめて、薫の肩に頭を乗せた。

「いい加減気付けよバカ…。」

絞り出すように切なげにそう呟いて、志信は薫から手を離した。

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