君に恋していいですか?
「卯月さんと二人で飲むなんて、初めてですよね。」

「そうだね。」

いつものように淡々とビールを飲む薫を見ながら、梨花は行動に出る。

「せっかくだから、会社ではできないような話をしませんか?」

「…なんの話?」

「例えば…恋バナとか。」

「私はいいよ。たいした恋愛してないから。」

予想通りガードが固いなと思い、梨花は薫の負けず嫌いな性格を利用する事にした。

「じゃあ…じゃんけんで負けた方が話すってどうですか?」

「じゃんけん?」

「普通のじゃんけんじゃつまらないんで、あっち向いてホイ、とかやってみます?私、結構強いんです。」

「ふーん…。でもいい。どっちにしても、話したいような恋してないもん。」


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