君に恋していいですか?
(そもそも、秘密の関係なんて裏があるに決まってるのに、どうして気付けなかったんだろう?)

疑う事も考えられないほど、彼の事が好きだった。

自分だけを愛してくれているのだと信じてやまなかった。

でも、それが浩樹にとっては偽物の恋だったのだと気付いた頃には、もう遅かった。

妊娠が結婚のきっかけになったのなら、自分にだってその状況は有り得たはずだ。

もしあの時、妊娠したのが自分だったなら、浩樹は自分を選んでくれただろうか?

もしかしたら、そんな状況になっていたとしても、自分は選ばれなかったのかも知れない。

浩樹の生涯の伴侶に選ばれなかった自分がみじめだった。

浩樹の嘘に気付けなかった自分が情けなくて、信じていた浩樹に裏切られた事が、本当に悲しかった。

(結局…秘密の社内恋愛なんて、種明かししちゃえばそんなもんだよね…。)




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